約1年程、うつ病の治療を行い、症状を抱えながら仕事ながら総合系コンサルティングファームに勤めています。
この記事でお伝えするのは、一時落ち着いていた「心の不調」が再開した経緯です。
新人コンサルタント時代に抱いた周囲と比較してのコンプレックス。
それが理由です。
優秀なコンサルに囲まれる
人間は環境の影響を受ける動物です。
環境に適応できなければ、苦しみが増していきます。
新人コンサルタント時代は本当に苦しかったです。
元々、自尊心が低いにも関わらずコンサルティング業界という自己成長意欲の化身みたいな人が集まる業界に就職。
周りの成長意欲と実力差を感じ、自分を責め立てる毎日でした。
そんな日々は研修時代から始まります。
当たり前ですが、私も内定を貰った以上は、コンサルティング業界で生きていける素養があると認めてもらったと思っていました。
研修を行って、そんな考えはどこかに吹き飛びました。
詳細は記載できませんが、研修の内容を大別すると以下になります。
- コンサルティングスキル研修
- IT研修
- 英語研修
私は何のバックグランドもなく研修に臨んでいました。
コンサルティングスキルの代表的な論理思考・ロジカルシンキングやドキュメンテーションなどは最低の成績だったのではないかと思うほど。
ITについては、インターネットが何かもよくわかってなかったです。
大学生時代に英語の論文を読んだことはありますが、その程度。
一方で周りの同期はどうでしょう。
- 理系の大学院を卒業し、論文発表で磨いたロジカルシンキングとプレゼンテーション
- 経営学を専攻し、他のコンサルティングファームでも数多く内定を獲得
- 英語圏に留学して現地のIT企業でインターンシップとして参加
「あれ、この差って埋められるのか・・・?」
コンプレックスの蓋はあっという間に開きました。
新人なので自分なりに努力はしますが、それは同期も同じです。
元々のスペックが高いのに、ちゃんと努力もできるんですよ。
「ウサギとカメ」の童話がありますよね。
足の速いウサギと足の遅いカメが競争をするんですが、ウサギは余裕ぶって昼寝をします。
その間に愚直に頑張ったカメが先にゴールする。
あの話が成り立つのは、ウサギが怠けたから。
現実は違います。
「努力できるウサギ」を相手に「努力できるカメ」では差が縮まらないことを悟りました。
結果として、研修の成績は最下層に位置しました。
理由は単純なスキル不足もありますが、研修中に同期との実力差に臆してしまったこと。
これも大きな理由です。
要はビビッてしまって暗くなっていたんですね。
人事からも客観的な評価として「暗く見える」という言葉をいただきました。
薄々は感じていましたが、現実として評されると心に来るものがありました。
「やっぱ自分には無理なのかな。」
差を埋めるための努力に囚われる
コンサルティング業界を経験された方はご存知でしょう。
上記のような人間はアサインされません。
業界用語ですが、プロジェクトに参画するメンバーとして選ばれることをアサイン(Assign:割り当てる)と言います。
実力もなく、暗い人間。
コンサルタントに限らず、単純に一緒に働きたいと思えないですよね。
案の定、同期の中でアサインされたのは最後になりました。
研修中にアサインが決まっていく同期もいた中で。
研修が終わってから、アサインが決まるまでの間。
辛かったです。
同期がプロジェクトで実力を付けている間、私は家でもできる資格の勉強をしていました。
努力のできるウサギに、現場で教えてくれる優秀なトレーナーが付いたのです。
独学で自己流の努力をしていたカメは絶望的な気持ちになっていました。
そんな状況で、自分にも回ってきた数少ないアサイン検討の面談。
面談を行って数日後、他の人間がアサインされることになったと聞きました。
独学で頑張っていた暗いカメはそこで考え方を変えました。
「もう割り切ろう。自分がダメなのは知っていたこと。」
「這い上がるしかない。何としても仕事を取ってやる。」
「資格でもキャラクターでもなんでもいい。アサイン候補者として残る釣り針を自分に増やせ。」
ここから正に、夜も休日も返上で自己研鑽を続けました。
比較的簡単に取れて受験時期に縛りがないIT系の資格を数個取得。
短期でのキャッチアップ能力があると評されたのか、IT系プロジェクトへのアサインが決定。
アサインが決まったあとも努力は続けました。
コンサルタントはプロジェクトで成果を出せなければ、首を切られることがあります。
それは新人でも変わりません。
「まずは生き残る。そのために特定分野でも良いから知識を付ける。」
切羽詰まった人間の集中力は凄いものです。
平日は仕事後の勉強、休日も勉強の生活が普通となっていました。
おかげで、プロジェクトにも残ることができました。
ただ、代償も大きかった。
力の抜き方とゴールが分からなくなったのです。
これまでの記事をご覧の方はご存知でしょうが、自分の実力以下の環境で、自分の存在価値を保っていたアダルトチルドレン。
そんなアダルトチルドレンが飛び込んだのは・・・。
自分の実力以上の人間しかいない環境で、自分を高め続けなけばならない人生。
自分の歩んできた人生と、これからの人生とのギャップに心は疲れ始めていました。
この新人コンサルタント時代に、自分の人生とキャリアについて、もっと考えていれば。
うつ病になって1年以上の通院を要する未来は来なかったのかもしれません。
少々長くなってきたので、今回はこれで終わりにしますね。
次は、本格的に精神を病み始めた頃の話。
そして、治療を始めた頃の話を記事にします。
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